羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 23
- 2023.09.12
- 羽根直樹先生のアドバイスコーナー
こんにちは。羽根直樹です。
11月12日(日)に、翔の会と泰正会の交流戦が有楽町にて行われますので、会員の皆様のご参加をお待ちしております。
翔の会や泰正会にご興味のある方は、お問い合わせいただけると嬉しいです。
今回の解説は、例会での指導碁(5子局)です。
<1>
白1に対して、黒2から10と分断するのが良い選択でした。
実戦の定石では、黒△が狭すぎると感じることが出来ると良いですね。
<2>
実戦は黒aのツケでした。
白への攻めを考えるのであれば、黒1も有力です。
白2と進出するのを待って黒3から7と形を整えることで、右下の黒を補強しながら白を分断することが出来ます。
ただ左下黒△と黒1との組み合わせでは、少し凝り形とも感じますので、黒△がbにあればちょうど良いバランスと言えます。
<3>
左下黒△があることを考えると、黒1も有力です。
白2と左下に向かってもらって黒3と引いておきます。
通常のように黒3で6と押さえてしまうと、白4のアタリが来ますので注意が必要です。
白8の進出には黒9から13の「もたれ攻め」が用意してあります。
<4>
実戦は黒11でaと手抜きをしましたが、11とつないでおくのも立派な一手です。
途中の黒7で8のノビという選択肢はありましたが、黒1とツケるとこのような展開になります。
ということで、黒1ツケの考え方としては「白が生きる間に左右の黒石を連絡させて補強したい」「厚みをつくって次の戦いに活用したい」という意味になります。
「白△への攻め」ではありませんので、級位者から低段者にとっては「安全で良い形」ですが、高段者になるにつれ「少し物足りない」と感じて欲しい打ち方です。
5子局はちょうどその評価が変化していく棋力ですので、ご自身の感覚に合わせて新たな対応にチャレンジしてもらえたらと思います。
<5>
実戦は自然に思える打ち方で、黒△の4子を助け出しています。
しかし、もし白を攻めるほどの状況でないのであれば、黒1から5などと捨ててしまうのも良い打ち方となります。
相手の強い所にくっついている石は、個数にかかわらず捨てることも考えてみましょう。
白6となった白の形はとても強いので、黒7と手抜きをして白aには黒bという判断が出来れば最高ですね。
<6>
白△に手抜きをして黒1は良い手でしたが、白2に黒4と受けてしまったのが問題でした。
黒3と2子を捨ててしまうのが良かったですね。
上辺の白は強い石になっていますので、「くっついている石は捨ててしまう」という考えになれるかどうかです。
白4よりも黒5の方が倍ぐらい大きいですので、白も4とは取らないということになります。
<7>
黒1のあと、黒3とノビておけばしっかり黒地になっていました。
中央の黒地は、下辺にある壁以外の黒は強い形とは言えません。
このような場合は、「不安な個所を補強していたら黒地がまとまった」となりますので、厚みを囲うのとは違って効率の良い地となります。
実戦は黒3でaと打ちましたが、少し無理な打ち方でしたので侵入されてしまいました。
<8>
このあと黒が無理をしてしまい、最後は白の勝ちとなりました。
中央の黒地が破れたことで、黒に薄みの目立つ形となっています。
上辺への踏み込みなど、とても良い流れで打てていましたので、中央付近がもったいなかったですね。
石は連絡した方が強い石となるのですが、役目を終えた石(相手への狙いにつながらない石)は、捨てた方が他の場所の補強に手を回せます。
黒△の四手を連絡するために使っていますので、その間に中央と右上に侵入されてしまいました。
「捨てても良い石はどれか」という意識を大切にしていきましょう。
以上
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