羽根 直樹 先生のアドバイスコーナー9
- 2021.12.05
- 羽根直樹先生のアドバイスコーナー
こんにちは。羽根直樹です。
感染対策に気を付けながら久しぶりに例会を行い、皆様と楽しい1日を過ごすことが出来ました。
家から出掛けて碁を打つ、という習慣を徐々に取り戻して、いつまでも健康でいただければと思います。
今回の解説は、例会での一局です。(T初段-J二段)
<1>
黒からの押さえが先手にならないように、左上白1を決めておくのが部分的な良い形です。
白5までが理想ですが、この場合は黒4でAの一間トビが絶好点となります。
相手に手抜きをされる前に上辺へ先行したのは、見事な判断でした。
ナラビは工夫した一手ですが、黒Bのスベリが打ちにくいように白5がオススメです。
<2>
黒△のハネはとても良い手でした。
その良さを生かすためにも、黒1と急所まで行きたかったですね。
ここまで行くことで、白がどのように対応しても形を崩すことが出来ます。
白2の反撃が心配かもしれませんが、黒3などの狙いもありますので十分戦えました。
白△では守っておくべきだったかもしれません。
<3>
黒は遠慮をせずに、1とつないでおきたかったですね。
黒の形がしっかりしていれば、黒5と攻めたときの迫力が違います。
黒5と大きく攻める事が大切で、AやBのキリでは石を捨てられてしまいますので注意が必要です。
<4>
Aの急所は狙いではありますが、白1としっかり抜いておくのがオススメです。
黒からの逃げ出しが強烈ですので、黒Bなどのシチョウアタリへの対応にも困りますし、戦っているうちにシチョウが悪くなることもあります。
<5>
白のデからキリが鋭い狙いでした。
白に切断されてしまうのがケイマの弱点です。
もし心配な場合は、ケイマではなく黒1オシが手厚い打ち方となります。
<6>
お互いに攻めを中心に構想を立てています。 積極的で楽しいですね。
上辺の黒が心配な場合は、黒1で2などと打つのも安全な打ち方です。
<7>
この後は白Aなどで競り合いが続きそうですが、形勢不明の好勝負です。
一般的には、接近戦が始まると部分の読みに意識が集中し過ぎる事がありますが、この碁は碁盤全体を見て打てているのが伝わってきました。
部分の読みにこだわってしまうと感じた時には、相手が考えている時間に背筋を伸ばして深呼吸するのを、習慣とするのも一つの方法です。
最後は黒の時間が無くなってしまったようですが、とても良い内容の一局でした。
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