羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー5
- 2019.09.07
- 羽根直樹先生のアドバイスコーナー
こんにちは、羽根直樹です。
碁聖戦、応援ありがとうございました。
皆様の声援に後押しをされ、第5局を満足出来る内容で打てました。
久しぶりのタイトル獲得を報告でき、嬉しく思います。
少しでも長く、強い若手達と競い合っていきたいですね。
今回は例会での対局から、2子局を取り上げます。
<1>
ここまで良い布石です。
黒の大ゲイマ受けに対して、白は三々に入りました。
その場合の基本形を覚えてしまいましょう。
白1を決めてから白3・5とハネツギます。
このような手順で打てば、隅の白を先手で生きることが出来ます。
白7から9などと下辺の守りに先行して、互角の進行です。
<2>
白1・3は良い補強です。
そして黒2も、とても良い手でした。
黒の壁も切断される弱点が残っていますので、「攻めながら守る」という一石二鳥の見事な一手でした。
<3>
白1は、とても良い侵入の仕方でした。
まずはこの黒地に隙があることに気付く事が大切です。
そして、A方面とB方面への進出を見合いにしています。
最高の着点でした。
<4>
黒は、1のツギで打ちたかったですね。白Aのハネには黒Bと押さえることが出来ます。
実戦は黒がカケツギでしたので、白もAとハネたいです。
黒はBと押さえることが出来ません。
白地が大きくなりますし、白が先手を取ることも可能になりそうです。
<5>
白1は雰囲気の出た良い手です。他には、白AやBなどと地を意識する打ち方もあります。
ただし、白Bには注意が必要です。
いつでも打って良いわけではなく、黒がものすごく堅い状況なので
「凝り形にさせる」という気持ちが大切です。
<6>
実戦は右辺を連絡しましたが、ここは大きな分岐点でした。
「分断されると右下の黒が不安」という考え方なら問題ありませんが、もし「右辺の黒地が減らないように」という考え方なら上達のチャンスです。
黒1から5などと反撃しましょう。
中央へ進出して白への攻めを狙いながら、隅の黒も安定させることが出来ます。
<7>
競り合いが続いていますが、棋譜はここまでとなりました。
それにしてもお互いに上手く打てていますね。
実は級位者同士の対局なのですが、とても信じられません。
「弱い石」の連絡にこそ価値がある、という事だけ意識してもらえれば十分です。
最高の内容でした。
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