羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 33
- 2024.12.14
- 羽根直樹先生のアドバイスコーナー
こんにちは。羽根直樹です。
上野愛咲美さんが、女流の世界戦(呉清源杯)で優勝しました。
中国選手を相手に決勝3番勝負を2勝1敗で制し、一力さん(9月に応氏杯優勝)に続いての快挙となります。
日本としては、この勢いを来年に繋げていきたいところです。
今回の解説は、会員同士の例会対局(4子局)です。
<1>
黒1に対し、白2は好点です。
右辺に厳しい狙いがあるかは微妙な状況ですので、黒1では2なども有力でした。
白2で右辺が心配な場合は、白aの受けも立派な一手です。
<2>
白1は上手い侵入の仕方です。
黒2・白3の後は3通りの打ち方が有り、実戦のオシ、4のサガリ、aのツギ、全て有力です。
黒△との幅がもう少し狭い時は、黒4のサガリが一番良い手となりますので、状況に影響されないのは黒4から7という形です。
<3>
緊迫した競り合いになっていますが、黒△という援軍を頼りに黒もうまく打ち進めてきました。
勢いで打ちたくなる白△に対して、黒1から3という手順が良かったですね。
白4には黒5の切りが厳しく、白の対応が難しい状況でした。
<4>
黒をダメヅマリに導きながら白1を利かし、白3と急所に守りました。
ただ、まだ不安を抱えている状況です。
そして黒2と守る前に、フリカワリを目指して仕掛ける手もありました。
<5>
黒1はヨセとして最大です。
黒△があるので大きな差にはなりませんが、白2には黒3と下をハネる習慣になると良いですね。
2目の頭をハネられた場合、上下ともハネられるとダメヅマリになりやすいので、注意が必要です。
<6>
白1に黒aはヨセとして大きな手ですが、白△以降は黒2の狙いが残っていました。
bと4が見合いで黒2の石を取ることは出来ず、黒6まで一部を捨てることになります。
実戦は白が補強に先着しましたので、事件は起こりませんでした。
<7>
全ての石が無事に治まり、地合の有利な白が中押し勝ちとなりました。
「互先なら心配」という白のミスは読みに関してだけですので、中央の白は筋悪く白1・3を決めてから白5が正解でした。
黒6以降が先手で決まり、黒は地で得をしながらヨセ勝負です。
中盤以降の黒は良い流れで打てていますので、序盤次第という感じでした。
序盤については、「置き碁では白地が増えることを怖がらない」「隅と同じくらい辺も大切」という意識で打たれると良いかと思います。
以上
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