羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 32

こんにちは。羽根直樹です。

10月に翔の会と泰正会の交流戦を、名古屋にて行いました。

対局や検討、解説会に懇親会と、あっという間の一日でした。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

今回の解説は、例会での指導碁(6子局)です。

<1>

実戦の黒aは、少し打ち過ぎでした。

白1は次にbと打とうとしていますので、黒2のケイマで防ぎながら攻めを狙うのが良い考え方です。

黒2の後は、お互いにaの地点を気にしながら打ち進めることになります。

<2>

黒1ツケも有力な手で、白△への攻めというよりは黒を手厚くするのが目的となります。

2つの不安定な黒が連絡した後の、厚みの活用方法まで気にしておきたい場面です。

白8までと生きた時に、黒9やaの打ち込みを意識してこそ、黒1が良い手となります。

<3>

上辺をすぐに狙わないのであれば、黒1も有力です。

白2から6には、黒7まで受けて問題ありません。

白8と進出するのは黒9・11の「もたれ攻め」が待っていますので、白は窮屈に生きるぐらいとなります。

<4>

黒aを手抜きする場合は、下辺を気にしたい局面です。

黒1の打ち込みが厳しく、黒5まで△との連絡を目指します。

黒5でbや、黒3でシチョウ有利を確認しての4ワリコミなどもあります。

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黒1から3と脱出しました。

通常ですと黒1を抜かれる損が大きいのですが、△の交換がある特殊な状況ということで有力な作戦でした。

白は隅で簡単に生きることが出来なくなっています。

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黒1と左下白への攻めを継続していれば、白は困っていました。

白2に黒3から7となった形は、黒の有利な攻め合いです。

攻め合いは「何となく怖い」という気持ちも分かりますが、白にとっては投了も覚悟した瞬間でした。

<7>

黒1から13まで、見事な進行でした。

最大の黒1を打ち(13目程の手)、黒7の反発から13まで黒地をまとめました。

差が縮まらないどころか、少し広がった感じです。

<8>

現時点で黒が20目程リードしており、本局は大差で黒勝ちとなりました。

「手拍子やうっかり」という大きなミスが一番怖いのですが、全く見当たらずとても良い内容でした。

これだけの安定感があれば、6子も置く必要はありません。

相手が補強をした時が手抜きのタイミングですので、「自分の石も少し心配だけどまだ大丈夫」と手抜きする場面を増やして、さらに効率の良い打ち方を目指していきましょう。

以上

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