羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 30
- 2024.07.20
- 羽根直樹先生のアドバイスコーナー
こんにちは。羽根直樹です。
まもなく開幕の女子リーグ(団体戦)に、娘の彩夏と弟子の加藤千笑さん、そして王景怡さんと高雄茉莉さんの4人が、チーム名古屋として出場することになりました。
他のチームもタイトルホルダーや期待の若手など、強力なメンバーが出場します。
YouTube中継などがあるかと思いますので、どうぞご観戦ください。
今回の解説は、例会での指導碁(5子局)です。
<1>
黒1から3・5とシチョウに取り、白8に黒aまで見事な進行です。
白地も大きいですが、取られた黒2子はまだ活用することが出来ます。
この後の打ち方も込みで互角ですので、セットで覚えてしまうと良いですね。
<2>
黒2子の活用法としては黒1が狙いとなり、白は2と頑張って受けるか、手堅く受けるかの二通りです。
白2に対して、すぐには何もありませんので、手抜きをすることになります。
白2の弱点は、黒3から7というような進行になった時に、白8が打ちにくいことです。
黒9に手抜きをすると、黒11から15でコウになります。
<3>
黒1に対して、白2なら手堅い打ち方です。
黒は3・5と、捨て石として活用します。
白6のあとは、黒aからbツギで丁寧に厚みをつくるか、黒cなどと手抜きをするかの選択となります。
白2の打ち方が二通りありますので、黒1の様子見を早めに打っておくのがおススメです。
黒1を持ち込みにしようと白が抵抗した時の対応は、詳しい解説でご確認ください。
<4>
黒に不安定な石はありませんので、「攻め方に迷ったら手抜き」というのは良い考え方です。
実戦の黒aは堅実な手ですが、黒1の打ち込みも有力です。
白の不安定な石を増やすことで、今後の攻め方の方針が立てやすくなります。
相手を分断して不安定な石を増やし、カラミ攻めを狙っていきましょう。
<5>
白1でaとbが見合いとなりましたので、ほとんど生きている形です。
左辺はどちらの地にもなりにくい場所と判断して、手抜きをしたい局面となりました。
そろそろ下辺の地を確保したいタイミングですので、黒2は好手でした。
黒6まで良い流れです。
<6>
黒1が緩着で中央の白にゆとりが出来ましたので、白2と仕掛けてみました。
黒aの受けには、白bと踏み込んでいく予定です。
その進行も考えられますが、黒3・5と反撃したのも良い感じでした。
守る立場の時は石の連絡を一番に考えたいですが、今回は白を攻める立場との判断ですね。
これで右辺黒△が攻められなければ、互先での考え方に近い積極的な打ち方です。
黒がこの後で少し損をしましたが、それでも10目以上黒の勝ちとなりました。
本局は、「白の手に付き合ってしまった」というミスが、驚くほど少ない碁でした。
そして、中央へ白が侵入した手にはすぐには受けず、「反発をする」「手抜きで大場に向かう」「大場を打ち終わってから黒△と囲う」という流れが見事です。
とても安定感があり、損をしたのは右下の捨て石が不十分だったことぐらいですので、5子置く必要の無い内容です。
以上
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