羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 25
- 2023.12.11
- 羽根直樹先生のアドバイスコーナー
こんにちは、羽根直樹です。
11月に泰正会との交流戦が有楽町にて行われ、対局・解説会・懇親会と、楽しく過ごすことが出来ました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今回の解説は、交流戦での対局(互先)をとりあげてみます。
<1>
白1は、黒2の守りに白3と打つ調子を求めた手です。
白3までは、白の目指している図ではありますが、黒4もしくはaと進出する流れも素直な打ち方で、互角の進行です。
実戦は、黒2で3と反発しました。
<2>
黒aと逃げることも可能ですが、黒1と大場へ先行しました。
とても大きな一手ですので、考え方に賛成です。
石を逃げる時は、「相手を攻めるために石を助ける」という意識が大切ですので、白への攻めになると感じた時に黒aと打つことになります。
白2・黒3も好点です。
<3>
実戦の黒aは少し頑張った守り方ですが、得になるかは疑問です。
考え方としては、白△の守りで左下の白は強い石になりましたので、離れるように黒1と守るのが良いでしょう。
ただ、打ち込みが残ると不安な人と、不確定な場所があるのを楽しいと感じる人がいますので、好みの問題も関係してきますね。
<4>
黒1は好点です。
他にも黒aからdまでどれも魅力的ですが、あまり競り合いが得意でない方には黒aがおススメです。
ただ、そのような方は黒△とは打っていないでしょうね。
<5>
白1に対して、実戦は隅を頑張りました。
黒2・4も自然な対応ですが、黒△との幅が少し狭い気がします。
白5の他にも白aやbという対応もあり、黒が不満と感じたのは良い判断でした。
<6>
白△以降、競り合いが始まったタイミングで黒1と仕掛けました。
思い切った決断ですが、十分に考えられます。
ゆっくりと打つのであれば、黒aも落ち着いた好手です。
<7>
「3目の真ん中」と呼ばれる急所ですね。
黒△のように3つ並んでいて、ダメが詰まっている場合、黒1の場所が急所になります。
この地点を白に打たれると、黒は高確率で愚形になりますので、深く考えずに打って良い一手です。
<8>
競り合いの途中ですが、棋譜はここまでとなりました。
この後は、素直に黒aと打つか、もっと何か工夫するかという選択です。
右辺の黒には白bという狙いが残っていますが、黒cで眼が出来ます。
形勢は、黒△の逃げ出しから少し黒に傾きつつある、という状況で、最後は黒の勝ちとなりました。
それにしても、お互いに見事な打ち回しですね。
詳しい解説は、ダウンロードをしてご覧ください。
石の形・方向、どれを取ってもお手本にしていただきたい内容でした。
以上
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