羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 25

こんにちは、羽根直樹です。

11月に泰正会との交流戦が有楽町にて行われ、対局・解説会・懇親会と、楽しく過ごすことが出来ました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今回の解説は、交流戦での対局(互先)をとりあげてみます。

<1>

白1は、黒2の守りに白3と打つ調子を求めた手です。
白3までは、白の目指している図ではありますが、黒4もしくはaと進出する流れも素直な打ち方で、互角の進行です。
実戦は、黒2で3と反発しました。

<2>

黒aと逃げることも可能ですが、黒1と大場へ先行しました。
とても大きな一手ですので、考え方に賛成です。
石を逃げる時は、「相手を攻めるために石を助ける」という意識が大切ですので、白への攻めになると感じた時に黒aと打つことになります。
白2・黒3も好点です。

<3>

実戦の黒aは少し頑張った守り方ですが、得になるかは疑問です。
考え方としては、白△の守りで左下の白は強い石になりましたので、離れるように黒1と守るのが良いでしょう。
ただ、打ち込みが残ると不安な人と、不確定な場所があるのを楽しいと感じる人がいますので、好みの問題も関係してきますね。

<4>

黒1は好点です。
他にも黒aからdまでどれも魅力的ですが、あまり競り合いが得意でない方には黒aがおススメです。
ただ、そのような方は黒△とは打っていないでしょうね。

<5>

白1に対して、実戦は隅を頑張りました。
黒2・4も自然な対応ですが、黒△との幅が少し狭い気がします。
白5の他にも白aやbという対応もあり、黒が不満と感じたのは良い判断でした。

<6>

白△以降、競り合いが始まったタイミングで黒1と仕掛けました。
思い切った決断ですが、十分に考えられます。
ゆっくりと打つのであれば、黒aも落ち着いた好手です。

<7>

「3目の真ん中」と呼ばれる急所ですね。
黒△のように3つ並んでいて、ダメが詰まっている場合、黒1の場所が急所になります。
この地点を白に打たれると、黒は高確率で愚形になりますので、深く考えずに打って良い一手です。

<8>

競り合いの途中ですが、棋譜はここまでとなりました。
この後は、素直に黒aと打つか、もっと何か工夫するかという選択です。
右辺の黒には白bという狙いが残っていますが、黒cで眼が出来ます。
形勢は、黒△の逃げ出しから少し黒に傾きつつある、という状況で、最後は黒の勝ちとなりました。

それにしても、お互いに見事な打ち回しですね。

詳しい解説は、ダウンロードをしてご覧ください。
石の形・方向、どれを取ってもお手本にしていただきたい内容でした。

以上

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アドバイス25棋譜詳細解説